派遣労働者の同一労働同一賃金(9)待遇情報の取扱い上の留意点
2020年02月05日(水)
前回の当ブログ待遇決定方式が【 派遣先均等・均衡方式 】【 労使協定方式 】 のいずれの場合も、派遣先は、労働者派遣契約を締結するに当たり、あらかじめ、派遣元事業主に対し、派遣労働者が従事する業務ごとに、比較対象労働者の賃金等の待遇に関する情報を提供しなければなりません。
派遣労働者の同一労働同一賃金(8) 情報提供する待遇内容とは
派遣先から派遣元事業主に提供された情報の取扱いについては、次の事項に留意する必要があります。
■個人情報について
①当該情報のうち個人情報に該当するものの保管及び使用
→ 派遣先の通常の労働者との均等・均衡待遇の確保等の目的の範囲に限られること。
■個人情報以外について
②当該情報のうち個人情報に該当しないものの保管及び使用
→ 派遣先の通常の労働者との均等・均衡待遇の確保等の目的の範囲に限定する等適切な対応が必要であること。
■守秘義務
③この情報は、法第24条の4の秘密を守る義務の対象となること。
→派遣元事業主及びその代理人、使用人その他の従業員は、正当な理由がある場合(本人の同意がある場合、他の法益との均衡上許される場合等)でなければ、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならないこととされています。(派遣元事業主等でなくなった後においても同様。)
たとえ個人情報ではなくても、勤続年数や職務内容によって個人が想像できてしまうこともあるかもしれません。
派遣先労働者の賃金を含む待遇を取り扱う『派遣先均等・均衡方式』を採用する場合は、特に注意が必要です。
派遣業の同一労働同一賃金コンサルティング(中小企業向け)のページはこちら。
派遣労働者の同一労働同一賃金(3) 改正法はいつから施行されるか
派遣労働者の同一労働同一賃金(4) 対象労働者と「二重適用」
派遣労働者の同一労働同一賃金(5) 方式を決定しないとどうなるか
派遣労働者の同一労働同一賃金(7) 情報提供の比較対象労働者
派遣労働者の同一労働同一賃金(8) 情報提供する待遇内容とは
同一労働同一賃金(2)対象となる労働者とは ~パート有期労働法~
同一労働同一賃金(3)不合理な待遇差の禁止、差別的取扱の禁止
同一労働同一賃金(4)どうすれば適法になるのか?〈a〉ガイドライン概要
同一労働同一賃金(5)どうすれば適法になるのか?〈b〉基本給・賞与
同一労働同一賃金(6)どうすれば適法になるのか?〈c〉役職手当・精勤手当
同一労働同一賃金(7)どうすれば適法になるのか?〈d〉通勤手当・時間外手当
同一労働同一賃金(8)どうすれば適法になるのか?〈e〉福利厚生など
同一労働同一賃金(10)対象となる労働者とは ~労働者派遣法~
同一労働同一賃金(11)どうすれば適法になるのか?〈a〉派遣先均等・均衡方式
同一労働同一賃金(12)どうすれば適法になるのか?〈b〉労使協定方式
社会保険労務士 金久保眞理