同一労働同一賃金(15)『説明を求められたとき』の説明義務等
2019年11月20日(水)
労働者への待遇差の説明義務は、「雇い入れ時」に加えて、雇用後、随時説明を求められたときにも発生します。
■『説明を求められたとき』の説明義務ってどんな義務?
非正規雇用労働者(パートタイム労働者、有期雇用労働者、派遣労働者)が、自分の待遇が正社員と違う、ということで疑問を持つことがあった際に、「正社員との待遇差の内容や理由」について説明を求めることができるようになり、一方事業主は、非正規雇用労働者から説明を求められたら、説明する義務を負うことになります。
これは、「パートタイム・有期雇用労働法」の改正により、新たに事業主に義務化されました 。
■何を説明するの?
正社員とパートの方、有期雇用の従業員の方と、待遇に差があっても、今まではそれがなんとなく当たり前、だと思っていませんでしたか?
「同一賃金同一労働」の取り組みの一つとして、正規雇用者と非正規雇用者との待遇差に合理的な理由がなければ、差をつけることができなくなります。
説明義務とは、その待遇差の合理性を裏付ける意味で、「待遇を決定した際にどういうことを考慮したか」「どんな待遇差があって、その差がある理由はなにか」を、従業員に説明を求められた際には、事業主は説明できなければなりません。
そのためにも、自社の給与規定、福利厚生規定を見直し、合理的な説明ができない様な規定があれば、是正しておく必要があります。
説明がなかったり、内容に合理性がなかったりする場合、訴訟にも発展する可能性もあります。
しっかり準備しておきましょう。
働き方改革、同一労働同一賃金等にともなう法改正対応をお考えの方は、ぜひあおい社会保険労務士法人へお問合せください。
=全16回=
同一労働同一賃金(2)対象となる労働者とは ~パート有期労働法~
同一労働同一賃金(3)不合理な待遇差の禁止、差別的取扱の禁止
同一労働同一賃金(4)どうすれば適法になるのか?〈a〉ガイドライン概要
同一労働同一賃金(5)どうすれば適法になるのか?〈b〉基本給・賞与
同一労働同一賃金(6)どうすれば適法になるのか?〈c〉役職手当・精勤手当
同一労働同一賃金(7)どうすれば適法になるのか?〈d〉通勤手当・時間外手当
同一労働同一賃金(8)どうすれば適法になるのか?〈e〉福利厚生など
同一労働同一賃金(10)対象となる労働者とは ~労働者派遣法~
同一労働同一賃金(11)どうすれば適法になるのか?〈a〉派遣先均等・均衡方式
同一労働同一賃金(12)どうすれば適法になるのか?〈b〉労使協定方式
社会保険労務士 三隅はな