同一労働同一賃金(3)不合理な待遇差の禁止、差別的取扱の禁止
2019年10月08日(火)
■「不合理な待遇差の禁止」「差別的取扱の禁止」とは?
「同一労働同一賃金」といっても、具体的にどんなことなの?とイメージしにくいですよね。
「同一労働同一賃金」とは、会社の中で仕事、業務の内容が同じであれば、賃金も同じにしなさい」、という考え方です。
「同じ」と一言でいっても
仕事内容が同じなら待遇も同じにする、という「平等」的考えを「均等待遇」といい、
待遇に差異があるが合理的な差異です、という「公平」的考えを「均衡待遇」といいます。
均等待遇規定 (差別的取扱い の禁止) |
下記2点が同じ場合、差別的取扱いを禁止します。
①職務内容(業務の内容+責任の程度) ②職務内容・配置の変更の範囲 |
均衡待遇規定 (不合理な待遇差 の禁止) |
下記3点の違いを考慮した上で、不合理な待遇差を禁止します。
①職務内容 ②職務内容・配置の変更の範囲 ③その他の事情 |
■どんなことが、不合理な待遇差、差別的取り扱いとなる?
「差別的待遇の禁止」とは、同じくらいの能力を持った人が、同じ業務をしているのであれば、
その人が、正社員か、契約社員か、パートさんか、によって賃金などの待遇に差をつけてはいけないということです。
「不合理な待遇の禁止」とは、同じ仕事をしているAさんとBさんの待遇に差があるのであれば、その差はその能力や働く時間分だけでなければならない。正社員、パートなど、雇用の形態によってついた差であってはならない、ということです。
同じ業務をしていても賞与は正社員にしか支給されない、正社員は皆勤手当てがつくが、契約社員にはつかない、というケースなど今までは慣例的に行われきましたが、今後は「差別的待遇」「不合理な待遇」と判断されるケースも出てきます。
働き方改革、同一労働同一賃金等にともなう法改正対応をお考えの方は、ぜひあおい社会保険労務士法人へお問合せください。
=全16回=
同一労働同一賃金(2)対象となる労働者とは ~パート有期労働法~
同一労働同一賃金(3)不合理な待遇差の禁止、差別的取扱の禁止
同一労働同一賃金(4)どうすれば適法になるのか?〈a〉ガイドライン概要
同一労働同一賃金(5)どうすれば適法になるのか?〈b〉基本給・賞与
同一労働同一賃金(6)どうすれば適法になるのか?〈c〉役職手当・精勤手当
同一労働同一賃金(7)どうすれば適法になるのか?〈d〉通勤手当・時間外手当
同一労働同一賃金(8)どうすれば適法になるのか?〈e〉福利厚生など
同一労働同一賃金(10)対象となる労働者とは ~労働者派遣法~
同一労働同一賃金(11)どうすれば適法になるのか?〈a〉派遣先均等・均衡方式
同一労働同一賃金(12)どうすれば適法になるのか?〈b〉労使協定方式
社会保険労務士 三隅はな