同一労働同一賃金(11)どうすれば適法になるのか?〈a〉派遣先均等・均衡方式
2019年11月05日(火)
前回、派遣法の改正で、派遣労働者と派遣先労働者の待遇差について、不合理な待遇差をなくすための確保措置が義務化されたことをお話ししました。
今回は、その確保措置のうちの一つ、「派遣先労働者との均等・均衡方式」について確認していきましょう。
■派遣先均等・均衡方式とは
派遣労働者について同一労働同一賃金を考えるうえで、原則とされているのがこの「派遣先均等・均衡方式」です。
派遣労働者と派遣先労働者について、職務内容、職務内容・配置の変更範囲、その他の事情を比較して、同一の場合は同様の待遇に扱い、差がある場合には、不合理なものであってはならない、とされるものです。
パート有期法における、正社員と非正規労働者との比較と同じことを、派遣先正社員と派遣労働者においても行う、ということですね。
■実務的には
派遣先均等・均衡方式では、派遣先ごとの待遇情報の提供を受ける必要があります。
喜んで自社の事情を派遣会社に事細かに説明する、といった会社は多くはないと思われますし、この作業を派遣先ごとに行なうのは大変な労力かと思います。
そこで、例外として労使協定方式が認められています。
次回は、この労使協定方式について確認したいと思います。
働き方改革、同一労働同一賃金等にともなう法改正対応をお考えの方は、ぜひあおい社会保険労務士法人へお問合せください。
=全16回=
同一労働同一賃金(2)対象となる労働者とは ~パート有期労働法~
同一労働同一賃金(3)不合理な待遇差の禁止、差別的取扱の禁止
同一労働同一賃金(4)どうすれば適法になるのか?〈a〉ガイドライン概要
同一労働同一賃金(5)どうすれば適法になるのか?〈b〉基本給・賞与
同一労働同一賃金(6)どうすれば適法になるのか?〈c〉役職手当・精勤手当
同一労働同一賃金(7)どうすれば適法になるのか?〈d〉通勤手当・時間外手当
同一労働同一賃金(8)どうすれば適法になるのか?〈e〉福利厚生など
同一労働同一賃金(10)対象となる労働者とは ~労働者派遣法~
同一労働同一賃金(11)どうすれば適法になるのか?〈a〉派遣先均等・均衡方式
同一労働同一賃金(12)どうすれば適法になるのか?〈b〉労使協定方式
社会保険労務士 板垣ゆりか