働き方改革(11)同一労働同一賃金 法改正と改正時期
2018年11月12日(月)
働き方改革の中でも、大きな改革の一つが「同一労働同一賃金」ではないでしょうか。
同一労働同一賃金の導入は、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者) と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消が目的です。
(不合理な待遇差の禁止に関する法改正は、パートタイム労働法・労働契約法は2019年4月1日(中小企業はその1年後)、労働者派遣法は企業規模にかかわらず2019年4月1日からです)
同一企業内における正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消の取組を通じて、どのような雇用形態を選択しても納得が得られる処遇を受けられ、多様な働き方を自由に選択できるようにする、ということを目指しています。
具体的な内容としては、次のものが挙げられます。
不合理な待遇差をなくすための規定の整備
(1)パートタイム労働者・有期雇用労働者
○均衡待遇規定の明確化
それぞれの待遇ごとに、待遇の性質・目的に照らして適切と認められる事情を考慮して判断されるべき旨を明確化。
※待遇とは、基本給、賞与、役職手当、食事手当、福利厚生、教育訓練など
○均等待遇規定
「職務内容、職務内容・配置の変更範囲が同じ場合は差別的取り扱い禁止」という規定の対象を、パートタイム労働者のみでなく、有期雇用労働者も対象とする。
○待遇ごとに判断することを明確化し、ガイドラインの策定などによって規定の解釈を明確に示す。
(2)派遣労働者
○次のいずれかを確保することを義務化
1、派検索の労働者との均等・均衡待遇
2、一定の要件を満たす労使協定による待遇
○派遣先事業主に、派遣元事業主が上記を順守できるよう派遣料金の額の配慮義務を創設。
○ガイドライン(指針)の策定
労働者に対する、待遇に関する説明義務を強化
事業主が労働者に対して説明しなければならない内容を、パート・有期・派遣で統一的に整備する。
行政による事業主への助言・指導等や裁判外紛争解決手続(行政ADR)の規定を整備
行政による助言・指導等や行政ADRの規定をパート・有期・派遣で統一的に整備する。
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社会保険労務士 板垣ゆりか