就業規則 ない場合のデメリット
2018年09月19日(水)
横浜の社会保険労務士がズバッと解説!
就業規則 ない場合のデメリット
先日、当ブログで就業規則を作るメリットについて書きました。
今回は逆に、就業規則がない場合のデメリットを具体的な事例を書きたいと思います。
●社員を懲戒処分にできない?
一度入社した従業員には、一緒に長く働いてもらいたいものです。とはいえ、無断欠勤がとても多くて困る、お客様とトラブルを起こしてばかりいる、などということも起こりえます。
でも、会社が従業員を雇用することでなんらかの不都合が生じたとしても、例えば「やめてほしい」と言うだけでやめさせることはできません。
懲戒解雇に限らず、就業規則がないのに従業員に懲戒処分をすることはできません。
訴えられたときには、不当な処分とされる可能性があります。
懲戒処分を行うためには、就業規則に定めが必要です。
・懲戒処分を行うことがある、ということ
・処分の種類(けん責、減給、出勤停止、諭旨解雇、懲戒解雇など)が定められていること
・どんな場合にどの処分となるのか、処分の事由が定められていること
また、その就業規則が従業員周知されていることも必要です。
周知のしかたも決められています。
(フジ興産事件(最高裁平成15年10月10日第二小法廷判決)
●助成金の申請ができない?
たとえば仕事と家庭の両立推進や、職場環境の改善等をすると受給できることがある『両立支援助成金』。
申請時には就業規則の添付が必須です。
●思わぬトラブルに!
3名の従業員が結婚したので、会社からお祝い金を出すことにした社長。でもAさんが社長に言いました。
「ほぼ同期のBさん(勤続10年)は3万円なのに、私(勤続9年11カ月)は1万円、しかも入社半年のCさんと私が同額だなんて・・・社長は私のことが嫌いなんですか?」
Aさんは悲しそうです。BさんとCさんも、気まずそうな顔をしています。
社長はこう思っていました。
『従業員に結婚祝い金を渡そう!』
『勤続10年以上は3万円、勤続10年未満は1万円にしよう』
でもそれはどこにも書いてありません。書いていなければ、当然誰もその気持ちを知りませんから、それぞれの人が独自の解釈をするしかないのです。
ルールや全員の共通理解がないために”不公平”や”不公平感”を生む事例はたくさん考えられます。それによって不信感が生まれたり、コミュニケーションが滞るかもしれません。
大きなトラブルも、小さな「勘違い」「ボタンの掛け違い」ではじまることが多いものです。
就業規則は、従業員のためだけでなく、従業員となんらかのトラブルに発展した際に会社を守る重要なツールにもなります。
あおい社会保険労務士法人では、丁寧な事前ヒアリングや提案を通して、それぞれの企業や従業員の実情に合った就業規則づくりをサポートします。
就業規則作成をご検討の場合は、お気軽に、あおい社会保険労務士法人にご相談ください。
過去のブログ
【2018年9月25日】就業規則 作成・改定はここから始まる
【2018年9月14日】就業規則 作成後の注意点
【2018年9月12日】就業規則 届出の方法
【2018年9月10日】就業規則 絶対的必要記載事項(定めるべきこと)
【2018年9月7日】就業規則 作成するメリットは?
【2018年9月4日】就業規則 届出義務がある会社
【2018年9月3日】就業規則とは
社会保険労務士 金久保眞理