運送業における「2024年問題」
2023年12月18日(月)
前回、こちらのブログで、運送業・建設業における労働基準法の上限規制の内容についてお伝えしました。
運送業については、2024年4月から、労基法だけでなく「改善基準告示」も改正・適用されます。
改善基準告示とは、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(厚生労働大臣告示)のことを言い、トラック、バス、ハイヤー・タクシー等の自動車運転者について、労働時間等の労働条件の向上を図るため拘束時間の上限、休息期間について基準等が設けられているものです。
改善基準告示は平成9年以降改正が行われていませんでしたが、自動車運転者の健康確保等の観点より見直しが行われ、拘束時間の上限や休息期間等が改正されました。
トラック運転手に対する規制が厳しくなることから、物流に大きな影響が出ると考えられています。
では、その主な改正内容を確認しましょう
トラックの「改善基準告示」見直しのポイント
■1年の拘束時間
【現行】3,516時間 【見直し後】原則:3,300時間
■1ヵ月の拘束時間
【現行】原則:293時間 【見直し後】原則:284時間
最大:320時間 最大:310時間
※1年の拘束時間が3,400時間を超えない範囲で年6回まで
■1日の休息期間
【現行】継続8時間 【見直し後】継続11時間を基本とし、9時間下限
ドライバーには、労働基準法だけでなく、改善基準告示の規制があることも踏まえ、対応を進めましょう。
過去のブログ
【2023年12月14日】運送業・建設業における「2024年問題」とは
【2023年11月17日】「130万円の壁」対応 事業主の証明
【2023年10月13日】労働条件明示のルール変更に係るパンフレット公開
【2023年10月4日】労働者募集時等に明示すべき事項が追加されます
【2023年9月26日】時間外労働 限度基準適用除外の廃止
社会保険労務士 板垣ゆりか