無期転換ルール 特例
2016年10月14日(金)
無期転換ルールは原則的にすべての有期雇用労働者が対象となりますが、都道府県労働局長の認定を要件として、事業主がその特性に応じた適切な雇用管理を実施する場合に、一定の期間については無期転換申込権が発生しないこととする特例が設けられています。
対象となるのは以下の労働者です。
(1)5年を超える一定の期間内に完了することが予定されている業務に従事する、高収入、かつ高度な専門的知識・技術・経験を持つ有期雇用労働者
(2)定年後に、同一の事業主または「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」における「特殊関係事業主」に引き続き雇用される有期雇用労働者
無期転換申込権が発生しない期間はそれぞれ以下の通りです
(1)の労働者:一定の期間内に完了することが予定されている業務に就く期間(上限10年)
(2)の労働者:定年後に引き続き雇用されている期間
(1)のケースは、あるプロジェクトチームとしてその道の専門家が集まって仕事をする場合、認定を受ければそのプロジェクト終了までは無期転換申込権が発生しない、ということになります(上限10年)。
(2)のケースは、身近な話である会社が多いのではないでしょうか。
定年後再雇用制度を設けているような場合、その期間が5年を超える可能性があるような制度であれば、再雇用の労働者についても無期転換申込権が発生します。例えば60歳定年、65歳まで再雇用を基本として、その後70歳まで再雇用の可能性有、としているような場合、65歳以降の契約時に「無期雇用してください」と言われれば、会社は原則無期転換する必要があります。
このようなケースでも、都道府県労働局長の認定を受ければ、無期転換申込権が発生しないことになります。
無期転換ルールの運用方法を検討する際、こちらの特例についても認定の必要があるか一度考えてみる必要がありますね。
過去のブログ
【2016年10月11日】無期転換ルール 準備はお早目に
【2016年10月3日】有期契約労働者の円滑な無期転換のためのハンドブック
【2016年7月21日】働き方改革
【2016年7月20日】ニッポン一億総活躍プラン
【2014年12月1日】「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法」が公布されました
社会保険労務士 板垣ゆりか
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