長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導結果
2015年10月02日(金)
昨年から、長時間労働に対する政策が一気に加速してきました。
この『長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導』は今年1月から始められたものですが、今年1月~6月までに監督指導した事業場の合計は3,602事業場となりました。
これらの事業場に対しては、是正・改善状況の確認を行い、是正が認められない場合は書類送検も視野に入れて対応するなど、引き続き、長時間労働の削減に向けた積極的な対応が行われます。
現在の事業場や従業員の状況を正確に把握し、今後どのようにするべきかを再確認することが大切です。
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厚生労働省は、平成27年4月から6月までに2,362事業場に対して実施した、長時間労働が疑われる事業場に対する労働基準監督署による監督指導の実施結果を取りまとめて公表しました。
この監督指導は、長時間労働削減推進本部の指示の下、今年1月から労働基準監督署が実施しているもので、
・1か月当たり100時間を超える残業が行われたとされる事業場
・長時間労働による過労死などに関する労災請求があったすべての事業場
を対象としています。
この結果、4月から6月に監督指導を行った2,362事業場のうち、約63%に当たる1,479事業場で違法な時間外労働を確認したため、是正・改善に向けた指導が行われました。
【平成27年4月から6月までに実施した監督指導結果のポイント】
●主な違反内容[⑴のうち、法令違反があり、是正勧告書を交付した事業場]
1 違法な時間外労働があったもの 1,479 事業場( 62.6 % )
うち、時間外労働※1の実績が最も長い労働者の時間数が
1か月当たり100時間を超えるもの 921事業場(62.3%)
うち1か月当たり150時間を超えるもの 203事業場(13.7%)
うち1か月当たり200時間を超えるもの 35事業場( 2.4%)
うち1か月当たり250時間を超えるもの 12事業場( 0.8%)
2 賃金不払残業があったもの 252 事業場( 10.7 % )
うち、時間外労働の最も長い労働者の時間数が
1か月当たり100時間を超えるもの 118事業場(46.8%)
3 過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの 406 事業場(17.2 % )
●主な健康障害防止に関する指導の状況
1 過重労働による健康障害防止措置が不十分なため改善を指導したもの
1,932 事業場( 81.7 % )
うち、時間外労働を月80時間※3以内に削減するよう指導したもの 1,471事業場(62.3%)
2 労働時間の把握方法が不適正なため指導したもの 475 事業場( 20.1 % )
うち、時間外労働の最も長い労働者の時間数が1か月当たり100時間を超えるもの
159事業場(33.5%)
過去のブログ
【2015年5月10日】 労働基準法改正案の状況(平成27年4月)
【2015年4月21日】 今後の労働時間法制等の在り方について
【2015年2月13日】 有給休暇5日の取得が義務化へ
【2015年2月10日】 60時間を超える時間外労働の割増計算
【2014年12月25日】 今後の長時間労働対策
金久保眞理
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