6月に改正が決定したものの、施行日が未定となっていた「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」(パートタイム労働法)ですが、その施行日が平成27年4月1日になったことが公告されました。
パートタイム労働法って?
「そもそもパートタイム労働法ってなに?」という方もいるかもしれません。
パートタイム労働法の正式名称は『短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律』といい、平成5年から施行されている、比較的新しい法律です。
通常の労働者と比較して低くなりがちなパートタイム労働者の労働条件。
パートタイム労働者の就業の実態を考慮して雇用管理の改善に関する措置を講ずることにより、正社員との不合理な待遇差を無くすことを目的としています。
平成9年に介護保険法ができた頃もそうでしたが、時代や社会情勢の要請によって新しい法律ができた後には「こっちのほうが現状と合うから変えよう」これも必要だから加えよう」という項目がたくさん出てきます。
その後もメンテナンスを大切にしていかなければなりません。(健康保険法なんて大正11年(!)からですから、大改正を何度も行っています。)
というわけで、パートタイム労働法もいくつかの改正が予定されています。
改正パートタイム労働法 主な改正内容
【1】正社員と差別的取り扱いが禁止されるパートタイム労働者の対象範囲の拡大
正社員と差別的取扱いが禁止されるパートタイム労働者については、これまで、
(1) 職務内容が正社員と同一であること
(2) 人材活用の仕組み(人事異動等の有無や範囲)が正社員と同一であること
(3) 無期労働契約を締結しているパートタイム労働者であること
とされていましたが、改正後は、(1)、(2) に該当すれば、有期労働契約を締結しているパートタイム労働者も正社員と差別的取扱いが禁止されます。
【2】「短時間労働者の待遇の原則」の新設
事業主が、雇用するパートタイム労働者の待遇と正社員の待遇を相違させる場合は、『その待遇の相違は、職務の内容、人材活用の仕組み、その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない』とする、広く全ての短時間労働者を対象とした待遇の原則の規定が創設されます。
改正後は、パートタイム労働者の待遇に関するこうした一般的な考え方も念頭に、パートタイム労働者の雇用管理の改善を図ることとなります。
【3】パートタイム労働者を雇い入れたときの事業主による説明義務の新設
事業主は、パートタイム労働者を雇い入れたときは、実施する雇用管理の改善措置の内容について、説明しなければならないこととなります。
【4】パートタイム労働者からの相談に対応するための事業主による体制整備の義務の新設
事業主は、パートタイム労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制を整備しなければならないこととなります。
省令等の今後の見通し
パートタイム労働法について、厚生労働省から『「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱」及び 「事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等に関する措置等についての指針の一部改正案要綱」の諮問及び答申について』が発表されました。
概要は次の通りです。
【1】省令案要綱
・短時間労働者に対して明示しなければならない労働条件に関する事項に「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する事項に係る相談窓口」を追加すること。
・通勤手当のうち「職務の内容に密接に関連して支払われるもの」については、均衡確保の努力義務の対象となる賃金に含まれるものとすること。
【2】告示案要綱
・事業主は、短時間労働者が、待遇の決定に当たって考慮した事項の説明を求めたことを理由として不利益な取扱いをしてはならないこと。また、短時間労働者が、不利益な取扱いをおそれて、当該説明を求めることができないことがないようにすること。
・短時間労働者が、親族の葬儀等のために勤務しなかったことを理由として解雇等が行われることは適当でないものであること。
以上の内容で、厚生労働大臣から労働政策審議会に対して行われた諮問に対し、「妥当と認める」との審議結果で答申が行われたことから、今後はこれに沿った省令、告示等が出されていくものと思われます。
