「残業」とは何でしょうか?
所定外労働と法定外労働
会社で決まっている就業時間(所定労働時間と言います。)以外の時間に勤務することを「残業」と呼んでいるケースが多いと思いますが、法律的には「所定外労働」と「法定外労働」に分けられます。
所定外労働とは、所定労働時間外の労働のことで、法定外労働とは、一日8時間、週40時間(特定の事業は44時間もある)を超える労働時間のことを言います。割増賃金の支払いが必要なのは、法定外労働をした場合です。つまり、9:00~17:00(休憩時間1時間)の会社で、終業時間以降に仕事をした場合、17:00~18:00は所定外労働、18:00以降の労働は法定外労働になります。もちろん、17:00~18:00の1時間についても、通常の賃金を支払う必要がありますが、25%増しで支払う必要があるのは、18:00以降の労働分、ということになります。
これは労働基準法で決まっている最低限度の支払い方なので、これを上回る(例えば、所定外労働についても割増賃金を支払う)ことは問題ありません。ただ、この最低基準を守らない場合は法律違反となりますので、注意が必要です。
休日労働とは?
ほかに「休日労働」というものもありますね。
「休日労働だから休日の労働だろう」と言われそうですが、法律上の休日と一般に考えられている休日とはちょっと違うかもしれません。
労働基準法によると、
1、使用者は労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない
2、1の規定は、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については適用しない
となっています。
つまり、上記の休日を与えられない場合に、休日労働の割増賃金を支給すればいいのです。
1に関して言えば、例えば日曜を週の始まりとしている会社で週休二日制(土日休み)をとっている場合、法律上日曜または土曜どちらか休ませていれば、どちらか出勤しても休日出勤にはなりません。よって、週の労働時間の上限を超えている分に関して時間外の割増計算をすればよく、休日労働として割増計算する必要はありません。
2は変形休日制というもので、特定の4週間に4日の休日があればよい、とするものです。ただし、この変形休日制を採用するには、就業規則またはこれに準ずるものに必要事項を規定し、労働者に周知させる必要があります。
時間外・休日に労働させるには
災害時等、特別な事態がなければ、基本的に時間外労働や休日労働をさせることはできません。
何の準備もせず、「今日残業してくれる?」と言って時間外労働させると、法律違反になってしまいます。
しかし一般に、残業ゼロ!という会社は少ないですよね?どういうカラクリなのでしょう。
時間外労働・休日労働は、労使協定を締結することで命令することが可能になります。
労使協定とは、その締結すべき事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者との間で締結する、書面による協定のことです。
この労使協定において、時間外又は休日の労働をさせる必要のある具体的事由や延長の上限等必要事項を定め、所轄労働基準監督署長へ届出をすることにより、初めて時間外労働等をさせることが可能になるのです。
この協定は時間外・休日労働協定、通称「36(サブロク)協定」と呼ばれています。これは、有効期間を設けて締結するものなので、有効期間満了前に締結し、再届出する必要があります。
残業代さえ払えばいい、ということではなく、残業等についてきちんと定めたものを作成し、届出をしなければならない、ということをきちんと押さえておきましょう。
