年次有給休暇は法律で定められた労働者の権利であり、一定の要件を満たした労働者に対して、法律上当然に発生します。
ワーク・ライフ・バランス推進官民トップ会議において策定された、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」と「仕事と生活の調和推進のための行動指針」において、 2020 年までの目標値として、年次有給休暇の取得率を70%とすることが掲げられていますが、 直近の取得率は48.8%(2013年)と、50%を切っており、その道のりはかなり厳しいと考えられます。
しかし、過重労働削減を目指す政府は、年次有給休暇の取得率上昇を重要と考えており、今後力を入れていく方向で進んでいます。
調査によると、年次有給休暇取得にためらいを感じる人は全体の約2/3を占めており、その理由として「みんなに迷惑がかかると感じるから」「後で多忙になるから」「職場の雰囲気で取得しづらいから」等があげられています。つまり、年次有給休暇を取得したくても取得できる環境ではない、ということが、取得率が50%を切ってしまう状態を生んでいるのではないかと考えられます。
なかなか賃金を上げにくい昨今、仕事は増える一方、昇給はあまりなく、年次有給休暇すら取得できない、という状態は、労働者のモチベーションを下げる可能性があります。
「働いていないのに金を払うなんて!」と考えられる方もいるかもしれませんが、年次有給休暇を取得しやすい環境を整えることは今の仕事の無駄を見つめなおすことにもつながります。
取得促進のために、年次有給休暇の「計画的付与制度」等もあります。
年次有給休暇の付与日数のうち、5日を除いた残りの日数については、労使協定を結べば、計画的に休暇取得日を割り振ることができる制度です。
事業主にとっては、突然労働者が年次有給休暇を申請してきた場合よりは、労務管理がしやすく、計画的な業務運営ができますし、労働者にとっては、申し出るのにためらいを感じがちな年次有給休暇を取得しやすくなります。
例えば、12日年次有給休暇がある労働者の場合、7日について事業主が計画的に付与でき、5日は労働者が自由に使うことができる、ということになります。前年度取得されずに次年度に繰り越した日数も計画的付与の対象とすることができます。
企業、事業場の実態に合わせて、次のような付与の方法があげられます。
○一斉付与方式…全従業員に対して同一の日に付与
○交代制付与方式…班・グループ別に交代で付与
○個人別付与方式…従業員個人毎に計画的に付与
このような制度を適切に活用することにより、年次有給休暇取得率を上げることができ、労働者のリフレッシュを図ることができます。
