今年の12月から実施が義務付けられる「ストレスチェック」ですが、導入の準備は進んでいますでしょうか?

「ストレスチェック」とは、ストレスに関する質問票に労働者が記入し、それを集計・分析することで、自分のストレスがどのような状態にあるのかを調べる検査です。

労働者が50人以上いる事業所では、2015年12月から毎年1回、この検査をすべての労働者に対して実施することが義務付けられます。ただし、「すべての労働者」と言っても、契約期間が1年未満の労働者や、労働時間が通常の労働者の所定労働時間の4分の3未満の短時間労働者は義務の対象外です。

厚生労働省が6月25日に発表した、平成26年度「過労死等の労災補償状況」によると、仕事による強いストレスなどが原因で発病した精神障害の状況について、 請求件数は1,456件で、前年度比47件の増となり、過去最多となりました。また、 支給決定件数は497件(うち未遂を含む自殺99件)で、前年度比61件の増となり、過去最多となっています。

このような状況を背景の一つとして、労働者が自分のストレス状況を知ることで、何らかのストレス軽減策を取ることにより、うつなどのメンタルヘルス不調を未然に防止するための仕組みとして、この制度は設けられました。

ストレスチェック 導入前の準備

それでは、ストレスチェック制度を導入するには何をしたらよいのでしょう?

導入前の準備を確認してみましょう。

(1)会社として「メンタルヘルス不調の未然防止のためにストレスチェック制度を実施する」旨の方針を示します。

(2)事業所の衛生委員会で、ストレスチェック制度の実施方法などを話し合います。

 話し合う必要のある事項の主なものとしては、以下が挙げられます。
 ・ストレスチェックは誰に実施させるのか
 ・ストレスチェックはいつ実施するのか
 ・どんな質問票を使ってストレスチェックを実施するのか
 ・どんな方法でストレスの高い人を選ぶのか
 ・面接指導の申出は誰にすればよいのか
 ・面接指導はどの医師に依頼して実施するのか
 ・集団分析はどんな方法で行うのか
 ・ストレスチェックの結果は誰が、どこに保存するのか

(3)衛生委員会で話し合って決まったことを、社内規程として明文化します。そして、すべての労働者にその内容を知らせます。

(4)実施体制・役割分担を決めます。

衛生委員会は毎月1回以上の開催が義務付けられているものですが、上記の通り、ストレスチェック制度導入に向けては、話し合わなければならないことがたくさんあります。

ストレスチェック自体は、2015年12月1日から2016年11月30日までの間に1回目を実施することとなりますが、導入準備は早い段階から進めておくことが必要だと思われます。

ストレスチェックの実施

○質問票の配布

まずは、質問票を労働者に配り、記入してもらいます。

使用する質問票は、以下の内容が含まれていれば特に指定はないのですが、国が推薦する57項目の質問票が公開されているので、何を使えばよいかわからない場合、活用するとよいでしょう。

質問票に含まれるべき内容
 (1)ストレスの原因に関する質問項目
 (2)ストレスによる心身の自覚症状に関する質問項目
 (3)労働者に対する周囲のサポートに関する質問項目
※ITシステムを利用して、オンラインで実施することもでき、厚生労働省がストレスチェック実施プログラムを無料で公開する予定もあります。

○質問票の回収

記入が終わった質問票を、医師などの実施者(またはその補助をする実施事務従事者)に回収してもらいます。

ここで注意しなければならないのが、第三者や人事権を持つ従業員が、記入・入力の終わった質問票の内容を閲覧してはならない、ということです。

○ストレス程度の評価

回収した質問票をもとに、医師などの実施者がストレスの程度を評価し、高ストレスで医師の面接指導が必要な者を選びます。

○結果の通知

ストレスの程度の評価結果、高ストレスか否か、医師の面接指導が必要か否か等は実施者から直接本人に通知されます。つまり、結果は会社に返ってくるわけではありません。結果を確認するには、結果の通知後、本人の同意が必要となります。

ストレスチェックをスムーズに実施するためには、やはり事前の準備として、「どんな質問票を使うか」「実施者を誰に依頼するか」「結果の保存方法はどうするか」等々、衛生委員会等で話し合い、決めておかなければなりません。

厚生労働省では、外部機関にストレスチェック及び面接指導の実施を委託する場合のチェックリスト例を公表しています。

ストレスチェック制度導入に向けて、誰がストレスチェックを実施するのか、分析の方法はどうするのか、社内で話し合わなければならないことは多岐にわたります。もし、外部機関に委託する内容があるようであれば、こちらのリストを確認してみてはいかがでしょうか。

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