令和2年度 労働基準監督署 監督指導結果
2021年08月20日(金)
~長時間労働が疑われる事業場にどのような指導が行われたか~
厚生労働省より、令和2年4月~令和3年3月までに、長時間労働が疑われる事業場に対して労働基準監督署が実施した、監督指導の結果が公表されました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
単位:事業場数
(1)監督指導の実施事業場:24,042
(2)是正勧告書を交付した事業場
1 違法な時間外労働があった:8,904(37.0%)
うち、時間外・休日労働の実績が最も長い労働者の時間数が
月 80時間超:2,982(33.5%)
月100時間超:1,878(21.1%)
月150時間超: 419( 4.7%)
月200時間超: 93( 1.0%)
2 賃金不払残業があったもの:1,551(6.5%)
3 過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの:4,628(19.2%)
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
件数もさることながら関連するものとして留意しておきたい、2つの法改正があります。
2020年4月1日 払っていなかった残業代等、賃金請求権の時効延長(2年→3年)
→時効延長の影響開始 2022年4月1日
2023年4月1日 中小企業 月60時間超の時間外労働の割増賃金率引き上げ
(25%→50%)
賃金請求権の時効が1.5倍に延長されるということは、請求される未払い残業代も、より高額になる可能性が高くなります。また長時間労働による割増賃金率の引き上げは事業運営への影響が予測されるほか、従業員の方の健康や、定着にも影響が考えられます。
まずは、長時間労働等が疑われたり賃金不払い残業となっていないか、確認することから始め、対応していきたいですね。
不明点、確認したい点などありましたら、あおい社会保険労務士法人にご連絡ください。
過去のブログ
【2020年10月23日】副業・兼業の改定版ガイドライン公表(厚生労働省)
【2020年6月26日】 テレワーク導入状況の変化から浮かび上がること
【2019年12月18日】「労災認定 本業と副業の残業時間を合算」にどう対応する?
【2018年10月26日】働き方改革(5)中小企業の時間外労働割増賃金率アップ 猶予廃止措置
社会保険労務士 金久保眞理