テレワーク【3】 導入・運用の流れ
2020年05月07日(木)
テレワークの導入・運用にあたっては、全体像をつかむことで、より自社に合った形に近づいていくことが可能です。
また、急に導入した場合であっても、その後状況を確認して改善していくことで、より大きな効果が望めます。
(1)テレワークの導入ステップ・全体像をつかむ
以下の導入ステップを確認し、全体の流れを把握することで、その後の改善がしやすくなります。
(2)全体方針を決定
様々なメリット、デメリットを把握したうえで、自社としての導入目的を明確にし、めざすものを従業員と共有することが重要です。
(3)ルールづくり
従業員数にかかわらず、働くルールを明確にしておくことは、労使間の行き違いやトラブルを起こさないためのポイントとなります。
なお、従業員が常時10人以上の場合、テレワークを導入するには、就業規則にテレワーク勤務に関して規定しておくことが必要です。この場合、就業規則本体に直接規定する場合と、「テレワーク勤務規程」といった個別の規程を定める場合があります。例えば、「在宅勤務を命じることに関する規定」「在宅勤務用の労働時間を設ける場合、その労働時間に関する規定」「通信費などの負担に関する規定」などがあります。
・対象業務(できるもの、できないもの、準備すればできるようになるもの)を確認
・対象者の範囲を決定
・コミュニケーションの方法を決める(メール、電話、テレビ会議など)
・実施目的や方法などを知らせる方法の決定、周知
・セキュリティ対策
(4)環境づくり
テレワーク導入のためのICT環境の構築にはいくつかの方式があり、それぞれのシステムには、セキュリティ、導入条件、導入端末、コスト、留意点などで特徴があるので、現状で最も導入しやすいものを選択するとよいでしょう。
・リモートデスクトップ方式
オフィスに設置されたPCのデスクトップ環境を、オフィスの外で用いるPCなどで遠隔から操作することができるシステム
・仮想デスクトップ方式
オフィスに設置されているサーバにアクセスして、オフィスの外で用いるPCなどで遠隔から操作することができるシステム
・クラウド型アプリ方式
企業のコンピュータや専用サーバではなく、Web上からクラウド型アプリにアクセスして、オフィスの外で用いるPCなどで遠隔から操作することができるシステム
・会社PCの持ち帰り方式
会社で使用しているPCを社外に持ち出す方式。情報漏えい対策のほか、私的利用の制限などの技術的な機能制限が必要
テレビ会議のアプリなどは日々進化しています。使いやすさ、参加人数やセキュリティなど、自社に合ったものを採用できるよう、検討が必要ですね。
また、自宅で業務を行う場合の、インターネット回線や机・椅子等の作業環境も重要です。特に、在宅勤務が恒常化・長期化する可能性がある場合には、早めに環境改善にとりかかることで、負荷の軽減が見込めます。
(5)検証、評価、改善
導入後も、定めたルールが現況に合っているか、何か問題はないか、よりよい方法はないかなど、確認しながら改善していくことが重要です。
あおい社会保険労務士法人では、社内ルールづくりのコンサルティング、就業規則や労使協定の作成や変更をお受けしています。
テレワークの導入・運用にあたって、何から取り組めばよいのか、どのようなルールが必要なのか、どのような助成金が活用できるのかなど、ぜひご相談ください。
社会保険労務士 金久保眞理