派遣労働者の同一労働同一賃金(11) 派遣先均等・均衡方式の流れ
2020年02月10日(月)
派遣先均等・均衡方式にしたがって不合理な待遇差がないかを点検・検討し、対応策を検討するための望ましい手順の全体の流れは以下の通りです。
■第1段階 情報提供
派遣先から、比較対象労働者の待遇に関する情報提供を受けます。
■第2段階 対象者確認
派遣労働者が「均等待遇」、「均衡待遇」のいずれの対象となるかを確認します。
■第3段階 待遇の違いの確認
個々の待遇の「適用の有無」と「決定基準」を整理し、派遣労働者と比較対象労働者との間での「違い」を確認します。
■第4段階 均等・均衡の点検
◇ 個々の待遇ごとに以下の手順で均等・均衡を点検します。
均等待遇の対象となる派遣労働者に対しては、全ての待遇について決定基準が比較対象労働者と「同一」であるかを確認します。
均衡待遇の対象となる派遣労働者に対しては、「適用の有無」あるいは「決定基準」に「違い」がある場合には
(a) 当該待遇の「性質・目的」を確認・整理し
(b)「性質・目的」に適合する考慮要素を3考慮要素の中から特定し
(c) その考慮要素に基づき、「違い」を適切に説明できるかを検討します
■第5段階 待遇の決定
均等待遇の場合で待遇の決定基準が異なる場合や、均衡待遇の場合で「違い」が適切に説明できない場合には是正し、派遣労働者の待遇を決定します。
均等・均衡待遇方式の場合、派遣先から提供してもらう情報量が多いこと、それにより点検すべき項目が多いことが考えられますので、早めの対応が必要です。
また、この確認・見直しは、派遣先の通常の労働者の待遇が変更になる都度、必要となります。
派遣業の同一労働同一賃金コンサルティング(中小企業向け)のページはこちら。
派遣労働者の同一労働同一賃金(3) 改正法はいつから施行されるか
派遣労働者の同一労働同一賃金(4) 対象労働者と「二重適用」
派遣労働者の同一労働同一賃金(5) 方式を決定しないとどうなるか
派遣労働者の同一労働同一賃金(7) 情報提供の比較対象労働者
派遣労働者の同一労働同一賃金(8) 情報提供する待遇内容とは
派遣労働者の同一労働同一賃金(9)待遇情報の取扱い上の留意点
同一労働同一賃金(2)対象となる労働者とは ~パート有期労働法~
同一労働同一賃金(3)不合理な待遇差の禁止、差別的取扱の禁止
同一労働同一賃金(4)どうすれば適法になるのか?〈a〉ガイドライン概要
同一労働同一賃金(5)どうすれば適法になるのか?〈b〉基本給・賞与
同一労働同一賃金(6)どうすれば適法になるのか?〈c〉役職手当・精勤手当
同一労働同一賃金(7)どうすれば適法になるのか?〈d〉通勤手当・時間外手当
同一労働同一賃金(8)どうすれば適法になるのか?〈e〉福利厚生など
同一労働同一賃金(10)対象となる労働者とは ~労働者派遣法~
同一労働同一賃金(11)どうすれば適法になるのか?〈a〉派遣先均等・均衡方式
同一労働同一賃金(12)どうすれば適法になるのか?〈b〉労使協定方式
社会保険労務士 金久保眞理