「人手不足等への対応に関する調査」集計結果
2018年07月18日(水)
日本商工会議所は先月、「人手不足等への対応に関する調査」集計結果を公表しました。
先日の当ブログでも働き方改革の背景について書きましたが、ここにもそれを裏付ける結果が出ています。
(以下抜粋)
●現状
これによると、65.0%の企業で人手が「不足している」と回答。
昨年の調査よりも「不足している」と回答した割合が約5ポイント上昇。
調査を開始 してから4年連続で人手不足感が強まっている。
●今後の見通し
数年後(3年程度)の人員充足の見通しについては、全体の半数以上の企業が「不足感が増す」と回答した。
「現在と同程度の状況」を選択した企業も43.1%であることから、今後、数年間は人手不足の状況が続くことが窺える。
●人材が充足できない理由
①そもそも採用できない
「自社の立地する地域に求めている人材がいない(人口減少や大都市圏への流出等でそもそも人がいない)」が56.8%と 最も高い結果となった。
②自社の処遇や制度、魅力
「自社が 属する産業・職種に魅力がない(業界の将来見通しに不安があるなど)」が最も多く、 次いで「自社の働き方に魅力がない(労働時間が長い、休みが取れない、柔軟な働き 方が困難など)」、「自社の賃金が低い(基本給やボーナスなど)」が共に3割強と続いた。
③ミスマッチ、定着しない等
「入社した人材がミスマッチを感じて退職してしまう」が最も多く、次いで「自社が求め ていた能力・知識・経験を有する人材ではなかった」が続いたことから、使用者、労 働者共に入社前後の段階におけるミスマッチが生じていることが窺える。
●多様な働き方に関する取組み
「長時間労働の削減」55. 8%
「再雇用制度」 50.7%
「年休の取得促 進」、「子育て・介護休暇制度」 約3割
「情報技術(AI、IoT等)の活用」、「短時間正社員制度」、「みなし労働時 間制(裁量労働制等)」、「副業・兼業」、「在宅勤務」、「勤務地限定社員制度」、「勤務間 インターバル制度」、「企業主導型保育所の整備」、「テレワーク(在宅勤務除く)」 1割以下
→これらの取り組みは、大企業では進みつつあるが、中小企業では整備が進んでいないことが窺える。
●上記の取組の結果
「高齢者の活躍推進」が最も多い。「人材の定着(退職者の減 少)」、「人材の確保」が共に3割強挙げられていることから、深刻な人手不足の中で、 こうした取り組みは人材の確保・定着をはじめ、多岐に渡る効果があると窺える。
過去のブログ
【2018年7月13日】働き方改革関連法案が参議院で可決、成立
【2017年1月12日】同一労働同一賃金ガイドライン案
【2017年1月6日】変化をどう捉えるか
【2017年1月5日】「過労死等ゼロ」緊急対策
【2016年11月28日】「過労死等防止対策白書」の公表
【2016年7月21日】働き方改革
社会保険労務士 金久保眞理