働き方改革関連法案が参議院で可決、成立
2018年07月13日(金)
平成30年6月29日、働き方改革関連法案が参議院本会議で可決されて成立しました。平成31年4月より順次施行されます。
■主な内容(抜粋)
・時間外労働の上限設定
原則:月45時間、年360時間
例外:臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満、複数月平均80時間を限度。
・中小企業でも、月60時間を超える時間外労働には50%以上の割増賃金率(今まであった猶予措置を廃止)。
・年次有給休暇が10日以上付与される労働者に対し、5日について毎年時季を指定して付与。
・高度プロフェッショナル制度の創設。
・事業主は、前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の休息の確保に努めなければならない(勤務間インターバル制度)。
・ パート労働者や非正規労働者と正社員との、不合理な待遇差を解消するための規定の整備(同一賃金同一労働など)
■働き方改革の”本当の理由”
どうして政府はこんなに懸命に働き方改革を推し進めようとしているのでしょうか。
みんな働き過ぎだから、もっと休みやすくするため?それだけ?その先に何があるのでしょうか?
理由はシンプル、『労働者の働き方を変えなければ、日本経済そのものが成り立たなくなるから』です。
日本では、世界でも類を見ない急激な少子高齢化が進み、労働力人口は減少の一途をたどっています。
先例のない少子高齢化の未来がどうなってしまうのか未知の世界ですが、既に想定された影響が出始めています。
・営業時間の短縮やサービスや事業の低下
・事業の縮小、廃止
・人に来てもらうため、賃金が高くなる傾向へ=人件費増
・少ない人数で経営するため、長時間労働化→生産性の低下、健康被害などの発生 などなど・・・
すべてがからみあい、負のスパイラルとなって日本経済を低下させていくかもしれません。
だからどうにもならなくなる前に、業務を効率化し、労働時間や無駄な残業を減らし、子育て中の女性や高齢者、外国人など多種多様な人材を登用し、高度な能力や技術の活用、国際化にも対応するなど、なんとかしていく必要があります。
そのための方法の一つが『働き方改革』です。
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でも、どんなに法律がお膳立てをしても、人が動かなければどうにもなりません。
未来は、いまの選択の積み重ねの結果です。
「自分にとって本当に大切なものは何か」
「人はいつも何かを選択している。何もしないということは、何もしないということを選んでいる」
という自覚を一人一人が持たなければ、働き方も休み方も、未来の日本も変わりません。
自分の状況判断で動く、自分自身がそう変わり、さらに次の人材を育てていくことが必要となってきています。
過去のブログ
【2017年1月12日】同一労働同一賃金ガイドライン案
【2017年1月6日】変化をどう捉えるか
【2017年1月5日】「過労死等ゼロ」緊急対策
【2016年11月28日】「過労死等防止対策白書」の公表
【2016年7月21日】働き方改革
社会保険労務士 金久保眞理