『労働基準監督官』とは、政府が、長時間労働や賃金未払いなどを調べる業務を行う公務員です。

政府は来年度、この労働基準監督官を100人増員する方針を固めたことが、23日までに分かりました。

『働き方改革』は、長時間労働対策を大きな柱とし、罰則付きの残業規制を設けて、違法な長時間労働の取り締まりに向け体制を強化する方向です。

労働基準監督官を増員することは、そのための準備といえるでしょう。

でも、変えなければいけないのは目先の「長時間労働」だけなのでしょうか。

「長時間労働の制限・取り締まり」は、慣習や意識を変えるきっかけのひとつに過ぎません。
何か制限された状態のほうが、発見やひらめきは多いといいます。

自分の中の「あたりまえ」や「~でなければならない」を改めて自問し、心から大切にしたいものが見えてきたとき、本当の『働き方改革』になっていくような気がします。

長時間労働対策は重要な課題です。
でも、できた時間で何をするのでしょうか。

例えば、家族が高熱を出したとき、病院に連れて行き、安心して休ませてあげられること。
自分の体調の異変を感じたとき、手遅れになる前に治療ができること。
子どもの大事な学校行事があるとき、「行くよ」と言えること。
地域のための活動をして、住んでいる街を、心地よい挨拶の響く場所にすること。
何かとひたむきに向き合うこと。

そんなあたりまえのことに時間を使えなくなっているのが、今の状況かもしれません。

できた時間の使い方を、誰かに踊らされてしまわないように。
自分の「大切なもの」を自覚し、周囲の人たちの「大切なもの」もできるだけ尊重できるように。

そんな意識に変わっていくことが、『本当に意味のある長時間労働対策』であり『未来を描ける働き方・休み方改革』につながっていくような気がします。

あなたにとって大切なものは何ですか?

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