ニュースでも報じられ続けている『年収の壁』。
今ブログでは、企業にも個人にも影響の大きい「社会保険の『壁』」の新情報をお伝えしたいと思います。

いまさら聞けない「106万円の壁」って何だろう?

2024年10月から、パート、アルバイトさんで「ご自身で社会保険に加入しなければならない人」の範囲が拡大しました。
加入要件の主なポイントは、①企業規模 ②個人の賃金額です。

  ①企業の規模 従業員(社会保険加入者)が51人以上在籍する企業で働く人
  ②個人の賃金 週20時間以上勤務し、月8.8万円以上(×12カ月≒年収106万円)の賃金がある人

①と②両方あてはまれば、いわゆる「106万円の壁」を超え、社会保険に加入する必要があります。

社会保険の「壁」はなくなる?

この「106万円」「51人以上の企業」という壁は、なくなる方向で検討されています。

参考:年金制度改正の検討事項』厚生労働省社会保障審議会年金部会
ttps://www.mhlw.go.jp/content/12501000/001364864.pdf

政府は、2025年通常国会への法案提出、2026年以降の段階的要件撤廃に向けて動いているようです。

「扶養内で働きたいです」はどう変わる?

もし壁がなくなれば、企業規模に関係なく、週20時間以上働くパートさん等はみな社会保険に加入することになります。

従業員にとっては、
「加入したら、手取りはどのくらい減るの?」
「扶養内や壁を気にしていたら生活費に影響が…いっそシフトを増やす?」

会社としても
「新たに誰が社会保険に加入するの?」
「パートさんみんなから『シフトを増やして欲しい』と言われても…」
「結局、会社で負担する社会保険料はどのくらい増えるの?」
「最低賃金も上がるし、費用はどこから持ってくる?」「この機会に、いろいろ仕組みを変えたり、効率化したほうがよいのかも」

なども考える必要が出てきそうです。

これから何が必要になる?

さらに国は、「労使折半ではなく、企業側がより多く負担する仕組み」についても検討を始めています。
人材確保など、現状を維持することが難しくなりつつある中、いつか「壁」がなくなる未来に向けて、『一人一人の働き方や仕事の流れ等を見直す取組み』が急務となりそうです。

労務管理や賃金制度、社内ルールについて検討したいなど、ぜひあおい社会保険労務士法人にお問い合わせください。

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